ほとけの教え

泣くも、笑ふも、自分次第。

 

こんな古歌があるのをご存知でしょうか。

 ―――――――――鏡にうつる我が姿

つんとすませば、向ふもすます

睨みつければ、にらみかへす 

兎角(とかく)浮世は鏡の影よ

泣くも、笑ふも、己れ次第――――

 

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鏡というのは

ものごとをありのままに映します。

つんとすました顔をすれば、つんとした顔が映り

睨みつけた顔をすれば、にらみつけた顔が映る。

このように

ものごとを「ありのままに映す」のは 

鏡の「真理」です。

しかし、この真理は、鏡だけのものではありません。

たとえば、人と向かい合ったときも

まったく同じ。

そのことを、どれだけの人が理解しているでしょうか。

 

こっちが睨んだり、怒った顔をしたりすると

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向うも同じような妙な顔をしてくる。

 

でも逆に、ニコニコと心から笑いかけると

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向こうも穏やかな顔になる。

 

「ありのままに映す」

という真理は、このように鏡だけのものではなく

万物に共通する、真理なのです。

日本人は

富士山を見ると

その美しさに思わず見とれ

心が不思議と穏やかになってきます。

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この安心は、単に「美しさ」から得られるものではありません。

季節が移り変わっても、いつも堂々と

「ありのまま」の姿をあらわす

その自然から溢れ出る「はたらき」が

富士山を目にする者に響いたとき、心は静かに定まるようです。

 

鏡に映る「自分」をみても

他人の反応から感じる「自分」をみても

富士山のように、つねに「ありのまま」でありたい。

――――― 泣くも、笑うも己(自分)次第 ――――

古歌に習うなら

心身ともに、このはたらきを自覚したとき

「ほんとうの自分」をみることができるのでしょう。

 

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