ほとけの教え

新・古の竈、どちらが使い易いか?

kamado

今日料理をする際に使う火力は、ご存知のようにガスやIHで、

最近はお寺でもほとんどがそうなっています。

しかし、

昔は、薪をくべて火の調整をする

「竈(かまど)」を使うのが 

お寺では当り前で、今も竈を併用しているところがあります。

 

先日、ある和尚さんから面白い話をうかがいました。

和尚さんが、

雲水として僧堂(禅の修行道場)で

日々修行をしていた頃、

典座(てんぞ・料理を任された修行僧の役名)が

料理に使う火力は、すべて竈であり、

料理をする以前に、竈を使いこなすことが大変だったそうです。

kamado02

古い竈は、それなりにご飯を炊けるのですが、

新しい竈は火を入れても、入口だけでなかなか奥まで火が届かない。

だから他所の寺の手伝いに行き、

新しい竈を使う時は、

適当に薪を入れて火をつけるのではなく、

はじめに必ず薪を井型に組み上げてから火をつけていた。

この一手間を加えることで、

新しい竈でも、しっかり奥まで火が通るからだそうです。

 

一方、古い窯も、何も気を遣わずに

そのまま美味しいご飯が炊けるかというと、そうでもない。

逆に火の通りが良過ぎて、

思っていたよりも早く火が通り、

炊飯や調理が上手くできないことがあるのです。

特に大会(だいえ・大規模な法会)の時は、

数日間、竈を使いっぱなしにするので、

大会を終えた後も竈全体の温度はなかなか下がらない。

そのため古い竈は、料理をすべて終えた後に、

最後にムシロを水に漬けたものを竈の中に入れ、

竈全体を冷やすという気遣いが必要なのだそうです。

kyoto_tower

こうした新古の竈の扱いの違いは、単に竈の話ではなく、

何ごとにも通じる心得ではないでしょうか。

 

まず相手のことを考え、

手間や気遣いを忘れず、丁寧に接する。

 

それが大切だということを、改めて教えていただいた話でした。

 

[戻る]

 

〒616-8385 京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町61

Copyright (C) toukanin. All rights reserved.